数学夏祭り 問2 解説
本ブログ (ぐるます) にて、2020年9月2日に投稿した記事を移行したものです。
誰でも参加できる2週間に渡るTwitter難問チャレンジ
— 数学夏祭り2021@計画中 (@mathmatsuri) 2020年9月1日
数学夏祭り 第2問は「幾何」
「解答する、拡散する、解説する」
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こちらの問題
は である。
の垂心を 、外心を 、重心を とし、外心に対して垂心と対象な点を 、線分 を に外分する点を とする。 (ただし、 は をみたす実数とする。)
四角形 の面積 を、 を用いた式で表せ。
の解説記事です。
簡易的な手書きの解説を記事1番下に載せてあります。
まず はこのような三角形になりますね。
問題文で与えられた各点の位置を図示してみましょう。
垂心 はこのようになります。
から辺 (またはその延長) に下ろした垂線の足を、それぞれ としておきます。
ここで、 の角度がわかっていることと、直角の箇所がいくつも見つかることから、さまざまな場所の角度を求めてみると、下図の同じ色の角度がすべて等しくなることがわかります。
ピンク色の角は に等しいので 、青色の角は に等しいので ですね。
よって、 はすべて直角二等辺三角形です。そのため、直角を挟む 辺の長さは等しくなります。
また、 は の二等辺三角形であることもわかります。
ここで、辺 の中点を点 とします。
外心 は下図のようになります。
辺 の垂直二等分線を黄色の破線で示しています。 はこの 直線の交点ですね。
次に重心 はこのようになります。
線分 を に内分する点です。
そして、点 はこうなります。
ですね。
ようやく四角形 が見えました。この面積を求めるのですね。
さて、この四角形の面積を求めるには、まず何を求める必要があるでしょうか?
の長さがわかっていますから、 と の面積の和として求めるのがよさそうです。
ということは、点 から辺 に下ろした垂線 ( とします) の長さと、線分 の長さがわかればよいですね。
まずは の長さを求めます。
とおくと、 は次のように表すことができます。
ここで ですから、
これを解いて
ゆえに
では次に の長さです。
は周りに二等辺三角形がたくさんあったため、幾何的に求めることができたのですが、 はどうでしょうか。
や半直線 周辺の角度や線分の長さがほとんどわからず、厳しそうですね。
今わかっている情報は
- は線分 の中点であること
- は を に外分する点であること
なのですが、これらの条件を幾何的に利用するのは難しい気がします。
ではどうすれば利用しやすいでしょうか?
座標を使うのです。
座標を使えば、中点や外分点を簡単に求めることができるからです。
先ほどの図を 平面上に配置してみましょう。
計算しやすければどう配置してもよいのですが、ここでは直交する 線分、 と がそれぞれ 軸、 軸と重なるように配置してみます。
すなわち、 が原点です。 は外心なので、 平面の原点は としています。
こうすると、今求めようとしている の長さは、 の 座標の絶対値として求められそうですよね。
すなわち、まずは の座標を求めるのが目標です。
それでは各点の座標を求めていきます。
については、 を求めたときの図より
は の中点なので
は を に内分するので
は 本の黄色の破線の交点であることから、 座標が と同じで、なおかつ直線 上にある点となるので
は の中点が であることから、 とおくと
これを解いて
さて、これで無事に と が求まったので、 の座標を と で表すことができます。
図から の 座標は負であるので、 の長さは、 座標の符号を反転させて (絶対値をとって)
であるとわかりました。
これで四角形 の面積を求めることができます。
【簡易解説】