数学夏祭り 問1 解説
本ブログ (ぐるます) にて、2020年9月1日に投稿した記事を移行したものです。
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— 数学夏祭り2021@計画中 (@mathmatsuri) 2020年8月31日
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こちらの問題、
をみたす正整数 の組をすべて求め、 の小さい順に並べたとき、前から 番目の と後ろから 番目の を掛けた数 を答えよ。
の解説記事です。
まずは条件の式をよく観察してみます。
というなんとも中途半端な数が目につきますが、 は素数ですね。整数問題では左辺と右辺の因数を比較して解を絞り込むことがよくあるので、 がこれ以上素因数分解できないことが武器になるのでしょう。
そして、分数 + 分数 = 分数 という形をしています。
は正整数ですから、やはりここは整数問題に帰着して考えたいところです。
通分して、分数の出てこない形に変形してみます。
(通分)
両辺に を掛けて
・・・ (*)
ですから、これは条件の式と同値です。
以下、この(*)を使って考えていきます。
式(*)に出てくる文字と数はすべて正整数なので、先ほどちらっと書いたように、両辺の因数を比較することができます。
左辺が を因数にもつことから、当然右辺も を因数にもつことになります。
(素数) はこれ以上素因数分解で分割できないので、 のうちの少なくとも1つが という因数をまるごと全部もっている、すなわち の倍数 ( を除く) であることになります。
ここで、問題文の条件を思い出しましょう。 は 未満であることが条件なのでした。
ということは、 は を除く の倍数 ・・・ にはなり得ません。
よって、 の倍数であるのは または です。
と のどちらであるのかまでは絞り込めないので、ここからは場合分けをして考えていきます。
(i) と の両方が の倍数であるとき
(ii) のみが の倍数であるとき
(iii) のみが の倍数であるとき
の3パターンです。
(i) と の両方が の倍数であるとき
を自然数として、
(ただし )
とおけます。もとの式(*)に代入して
両辺を で割って
先ほどと同様に因数比較をしたいのですが、そんなときは、式に登場する項の中から、共通因数を見つけて括り出すことが有効です。
上の式を移項して を括り出してみましょう。
・・・ (1)
と は整数なので、 は因数に を含んでいなければなりません。すなわち、 は の倍数です。
よって、 を自然数として、
とおけます。
共通因数を括り出したことで、 についての情報が1つ増えましたよね。今やったような操作は、これ以降もたくさん使っていきます。
上の式を式(1)に代入して
両辺を で割って
先ほどと同様に、移項して を括り出して
ゆえに
(すなわち )
となるので、
であるので、、 すなわち であったということですね。
よって
(ii) のみが の倍数であるとき
を自然数として
とおけます。式(*)に代入して
両辺を で割って
移項して を括り出して
・・・ (2)
よって は の倍数なので、 を自然数として
とおけます。式(2)に代入して
両辺を で割って
移項して を括り出して
・・・ (3)
ここで、 と のどちらかが 、どちらかが となります。
とりあえず両方試してみましょう。
と仮定すると、 は の倍数となり、 のみが の倍数であることに矛盾します。
一方 と仮定すると、 となり、問題文の条件 に矛盾します。
いずれの場合も矛盾するので、(ii)のとき、解はありません。
(iii) のみが の倍数であるとき
上の(ii)の議論において、 を 、 を に置き換えた議論を考えると
( は自然数)
とおけて、(3)式
が同様に成り立ちます。
と仮定すると、(ii)と同様に、 は の倍数となり、 のみが の倍数であることに矛盾します。
一方 と仮定すると、 となり、これは問題文の条件 をみたしています。
よって
(すなわち )
となるので
より、 は適さないので
ゆえに
(i)〜(iii)の結果を合わせて、
の小さい順に並べると
以上より求める は